「なんで看護師になろうと思ったんですか?」
以前、退院間近の二十歳の子に「じゃがりんさんはなんで看護師になろうと思ったんですか」と純粋な眼で聞かれて色々思い返していました。
一番初めの看護師になろうと思った動機は「目の前の患者の最期にもっと関わりたい」だったんですよね。
私は人生随分回り道をしているので、若気の至りで歌手になりたいなどと思い至り大学を途中で辞め何者にもなれず田舎に帰ってきて、毎日目的や目標もなくその日暮らしでブラブラしていました。23か24だったでしょうか。
そこで父親の働く病院で看護助手をしないかと声をかけられます。今思えば行く先を心配した父の温情だったのだろうと思います。
その時は二つ返事で病院に関わりをもったわけですが、そこで経験したことから看護師になりたいと思うようになります。
一番初めに勤めた病院はその病院の科の特性上、結構な割合で亡くなる方が多かったのです。以前話したこともあるかも知れませんが、元気になって回復し感謝をして患者さんが退院する、ということは皆無です。
そんな中で、当然看取りや急変によるステルベンを経験するのですが、当時は看護助手という役割なので、日常的な生活でのお世話や会話などは密に行っていても、いざそういう時になると全く役に立ちません。当時は周囲の看護師が人間的な温かい関わりを患者と持っているように全く見えなかったので(笑)、自分が一番身近に居て一番お世話をしているのに、こういうときは役に立たないんだと勝手に反発し僻んでいました。若いですね。
順調な人生のレールを自ら踏み外しどうして良いか分からない自身の状況であったり、当時の病院の看護師との関係も正直微妙で(それは私が要求される仕事をきちんとできていないせいも有ったか)、とにかく自分は居場所がなかったのもあったんでしょうね。今思えばそう思うしかないです。 なので、仲の良い患者さんには関わりを通じて救われていた面もあったと思います。人生の途中であろうと最期であろうと、この目の前にいらっしゃる患者さんの人生にもっと専門性をもって関わり恩を返したい。きっと看護師になれば、関係性を大事にしつつもっと患者に関われる、という具合でしょうか。
当時の、暑苦しい気概というか、下手したら勘違いも多分にあったかもしれません、有る意味周りが全然見えていない状況(自分の置かれている立場や周囲の看護師の本心であったり)での意気込みというか。振り返ると少し小っ恥ずかしいですね。でも、そうした自分も一人の自分だったんだと受け止めて認める作業をどこかのタイミングでやるのは大事ですよね。
皆様の現在の仕事をするきっかけって何ですか?
冒頭の子には「患者さんの人生に深く関わり支えたい」と平易な言葉に短縮して伝えましたが、随分感慨深く受け取ってくれたようです。
歳が行くに連れ、関わる相手も、この子のように若い子も増え、人間としても看護師としても自分の経験を話す機会が少しずつ増えてきたような最近でもあります。改めて、振り返りや自分の感情の言語化や自己開示の練習しとかないとね…など思いました、ちゃんちゃん。